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東京地方裁判所 昭和59年(行ウ)167号 判決

原告

丸井康弘

右訴訟代理人弁護士

丸井英弘

林陽子

被告

小金井市

右代表者市長

大久保慎七

右訴訟代理人弁護士

山本政敏

二島豊太

吉岡毅

右指定代理人

鴨下金吾

長谷川和久

竹内実

藤倉英行

指田勝巳

石井彰博

萩原利男

望月皓

主文

一  原告の請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一請求

一  原告と被告との間で、原告が小金井市立小金井第一中学校施設管理員の地位を有することを確認する。

二  被告は原告に対し、一〇〇万円及びこれに対する昭和五八年九月三日から支払済みまで年五分の割合による金員並びに昭和五八年六月二日から原告が前項の地位に復帰するまで一日当たり一万円の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

本件は、普通地方公共団体である被告の職員である原告が被告に対し、被告の行った配置換が無効であるとして、配置換前の地位を有することの確認を求めるとともに、配置換によって職務内容及び日常生活に大幅な変更を余儀なくされたから精神的・経済的損害を被ったとして国家賠償法一条一項に基づき損害賠償金の支払を求めた事案である。

一  争いのない事実

1  当事者関係

被告は、肩書地に事務所を有する普通地方公共団体であり、原告は、昭和五〇年三月二四日、被告に定数外職員として任用され、同日、厚生部保育課勤務を命ぜられ、被告の設置する小金井市立けやき保育園に配属され、同年一二月九日、小金井市立小金井第一中学校の施設警備の職務に従事するよう命ぜられた後、昭和五二年四月一日、定数内職員として任用され、職層名を「主事」、職務名を「施設警備」として発令を受け、昭和五八年五月三一日まで同校において施設警備の職務に従事した。

なお、原告は、被告に任用された当初から自治労小金井市職員組合(以下「組合」という。)に加入し、組合現業協議会警備部会(以下「組合警備部会」という。)部会長、組合第一中学校職場委員などを歴任し、昭和五七年一二月から警備問題等検討協議会分科会委員となっていた。

2  被告における職員の身分関係

被告における職員の職名は、職層名と職務名とによって構成されており(職員の職名及び補職名に関する規則二条)、職層名は参事と主事とからなり、職務名は「事務職」(地方自治法一七三条二項に定める事務吏員)、「技術職」(同法同条三項に定める技術吏員)、「技能職」(同法一七二条一項に定める吏員に準ずる技能吏員)の三つの区分に大別され、事務職は、一般事務、技術職は、土木技術、建築技術、機械技術、電気技術、舞台技術、科学技術、ボイラー技士、電話交換、自動車運転士、医師、保健婦、看護婦、保母、学童保育指導員、福祉指導員、児童厚生員及び栄養士、技能職は、給食調理、一般用務、一般作業、家庭奉仕、一般業務、配管業務及び施設管理(なお、施設管理は、従前「施設警備」と称されていたものを本件配置換と同日である昭和五八年六月一日の規則改正で改称された。本件では、原則として右改称前の呼称を用いることとする。)からなっている。

「小金井市公立学校等警備処務規程」によれば、施設警備員の主な職務内容は、施設の巡視、巡視時刻の記録、火気及び戸締まりの点検等である(同規程六条)。施設警備員のうち、原告が従事していた学校の警備に従事する職員の勤務すべき日及び勤務時間は、平日は午後四時三〇分から翌日午前八時三〇分まで、土曜日は午後零時から翌日午前八時三〇分まで、日曜日、休日、年末年始の休日及び学校の記念日は午前八時三〇分から翌日午前八時三〇分までであり、その職務内容は右の時間に主に施設内の巡回等をすることで、その主な内容は断続的な巡視業務である。なお、勤務日は三日に一度である。

これに対し、「小金井市組織規則」によれば、原告が配置換された清掃課清掃第二係の職務は、ごみ、燃え殻、危険物及び不燃物の収集等であり、勤務時間は、休息時間を除き一週間四二時間一五分であり、その勤務すべき日及び勤務時間は、月曜日から金曜日までは午前八時三〇分から午後五時まで、土曜日は午前八時三〇分から午後零時までである。

3  被告における警備制度改革の経緯

被告は、これまで各施設に一定数の職員を常駐させて警備の職務に当たらせてきたが、昭和五一年から警備業務の在り方について見直しを行い、組合とも協議した結果、昭和五二年五月、常駐警備三〇施設のうち六施設については、防火、防犯用の機器を設置する等して常駐を廃止することとした。そのため、警備職に従事していた職員七名が剰員となり、これらの者のうち四名を「一般事務」に任用換し、三名を「一般用務」に配置換した(以下、この警備制度の変更を「第一次警備制度の改革」という。)。

第一次警備制度の改革により、二四施設の警備については一施設三名、合計七二名態勢で出発したが、その後の職員の退職のため、この態勢を維持することが困難となり、昭和五七年六月時点では、一施設二名が殆んどとなり、実配置人員は五八名となった。このため、ローテーションのやり繰りが必要になり、時間外勤務が多くなって、時間外勤務手当の支給が急増し、かえって人件費が増大することとなり、改めてその対応に迫られるに至った。

そこで、被告は、組合と警備制度の新しい在り方について協議を行うこととし、昭和五七年六月一八日、被告側から助役、企画部長、企画部主幹、管理部長、厚生部長及び教育次長の六名(事務局は管理部管財課)、組合側から委員長、副委員長(二名)、書記長、警備担当執行委員及び警備部会長の六名(事務局は組合現業協議会事務局長及び同局次長)によって構成される警備問題等検討協議会を設置した。また、これの設置に伴い、施設毎に業務の見直しをし、具体的問題を協議する下部機関として、被告側と組合側とからなる四つの分科会(市庁舎等、保育園、小中学校及び公民館等)が設置された。原告は、右の分科会のうち小中学校部会のメンバーとして協議に参加した。

そして、警備問題等検討協議会において協議した結果、昭和五八年四月二一日、被告と組合とは、具体的事項につき以下のとおりの合意をした(以下、これを「第二次警備制度の改革」という。)。

(一) 市庁舎には、現行の当直業務と警備業務とを統合した施設管理センターを設置し、現警備調整担当の他に一三名の職員を配置して、他の施設の巡回及び機械による集中管理を併せて行う。

(二) 福祉会館、公民館本町分館、貫井センター、図書館及び各保育園の有人警備態勢は廃止する。

(三) 小中学校は、一直一名二交替勤務として、代替要員を含め三五名態勢により行う。

4  本件配置換

第二次警備制度の改革によれば、従前五八名だった施設警備員は四八名で足りることとなり、九名(当初一〇名のところ、一名が退職)を他の職種に配置換する必要が生ずることとなった。そこで、同年五月二三日、被告は原告に対し、市民部清掃課に配置換する旨内示し、同年六月一日、右内示どおり職層名を「主事」、職務名を「一般作業」、所属を「市民部清掃課」とする「転任・任用換」の辞令を発した(以下、これを「本件配置換」という。)。そこで、原告は、同日から清掃課において就労し、現在に至っている。

なお、本件配置換は、地方公務員法一七条一項の「転任」の一形態とされる任用換ではないが、被告においては従前から職務名の変更(同一の職の区分の中での変更と職の区分を変更する場合とを含む。)を伴う異動につき辞令上「任用換」の用語の下に発令を行ってきたため、本件においても「任用換」として発令を行っている。以下においては、被告独自の「任用換」の呼称を同法上の任用換(職の区分を変更する場合)と区別するため、特に「 」を付して表記する。

二  争点

本件の争点は、本件配置換の有効性と本件配置換についての不法行為の成否であり、これらについての当事者の主張は以下のとおりである。

1  原告の主張

(地位確認請求関係)

本件配置換は、以下に述べる理由により無効であるから、原告が職務を提供すべき場所は小金井第一中学校であり、その職務の内容は施設管理である。

(一) 原告の同意の不存在

本件配置換は、以下に述べるとおり、原告の労働条件の変更を伴うのであるから、労働契約の要素の変更となり、従って、これには、原告の同意を必要とするところ、原告は、本件配置換に同意をしていないから、本件配置換は無効である。

(1) 原告の労働条件の変更

職務名を施設警備から一般作業に変更することは、前述のとおり、職務の内容と労働時間の変更とを伴うのであるから、明らかに労働契約の要素の変更、すなわち労働条件の変更となる。

(2) 原告の被った経済的不利益

以上に加え、職務の内容の変更に伴い時間外手当及び夜間勤務手当の支給を受けることができなくなり、毎年少なくとも一〇〇万円の減収を余儀なくされている。

(二) 労使慣行違反

被告においては、職務名の変更については当該職員の同意を必要とするとの労使慣行が確立しているので、本件配置換には原告の同意を必要としたところ、原告は、これに同意していないから、本件配置換は労使慣行に違反して無効である。

すなわち、被告が作成した昭和五〇年二月一日施行の「任用換実施要綱」では、被告における「任用換」とは、「職員の職務名を現に任用されている職務名と異なる職務名に変更すること」をいうとされ、実施基準として、「任命権者は、職員からの人事異動希望書を徴する場合、任用換を希望するものについて、その理由、希望、職務名その他、任用換に必要な事項を併せて申告させることができる。」、「任命権者は、前項の申告があった場合、当該職員の年令、現職務在職年数、職務名相互の均衡、所属長の意見等を総合的に考慮し、可能な限り申告を尊重することとする。」とされているのであって、「任用換」は、そもそもこれを希望する者について行うのであって、希望しない「任用換」は想定されていない。

また、被告が組合に対し、昭和五二年八月六日、「任用換」の実施基準について提示した「任用換」に関する協定書案においても、〈1〉職員の意思に反しない。〈2〉補充を必要とする職があること。〈3〉より適格者が得られ、適材適所の原則が貫かれることの三点が挙げられており、ここでも「任用換」については同意が必要なことが前提とされており、「任用換」の一形態である本件配置換についても同意が必要なのである。

(三) 差別的取扱い、不当労働行為等

本件配置換は、原告の労働組合活動を理由として、他の職員と差別して不当に不利益に取り扱うともに、労働組合に対し支配及び介入を行うものであるから、憲法一四条、地方公務員法一三条、労働基準法三条に違反するばかりでなく、地方公営企業法三九条及び地方公営企業労働関係法四条によって準用される労働組合法七条一号及び三号に該当し、無効である。

すなわち、原告は、警備問題等検討協議会の組合側のメンバーとなっていたが、組合側の意見をまとめる際、組合警備部会内の学校警備員連絡協議会事務局から、当時一三名であった警備員の欠員補充をせず、現在人員のまま用務員と警備員を統合させるという、被告の合理化路線に沿う内容の案が示され、組合警備部会はこれを巡って意見が二分し、原告は、右事務局案に反対して私案を作成したという経緯がある。原告に対する本件配置換の行われた昭和五八年六月の人事異動において自己の意思に反した配転を受けたのは、原告を含めて右事務局案に賛成しなかった者のみであり、本件配置換は、被告及び組合執行部多数派の意向に反対した原告に対する不利益な取り扱いである。また、本件配置換は、その異動案の作成過程に管理職が殆ど関与しておらず、管財課警備担当主事が作成したものをそのまま発令したものであるが、右主事の上司である管財課警備担当主査は組合執行委員長の地位にあり、いずれも組合執行部多数派に属しており、原告の組合活動を嫌悪していたのであって、右異動案は、右主査の意向を受けて作成された極めて恣意的なものであった。

(四) 地方公務員法一七条一項違反

本件配置換は、地方公務員法上の「転任」の一形態とされる任用換には当たらないが、被告においては従前から「転任」に当たらない配置換についても「任用換」と称して「転任」に準じた取扱がされており、本件配置換にも同法の趣旨が生かされるべきである。

地方公務員法一七条一項は、「職員の職に欠員を生じた場合においては、任命権者は、採用、昇任、降任又は転任のいずれか一の方法により、職員を任命することができる。」と規定しており、任命権者が職員を任命することができるのは、「職員の職に欠員を生じた場合」に限定されており、欠員を生じない場合に任命が行われた場合には重複任用となり、後の任命行為は無効となると解するのが相当である。

前述のとおり、本件配置換の内示が行われた昭和五八年五月二三日において、清掃課(職務名一般作業。以下「清掃作業」という。)には欠員が全くなかったばかりか、本件配置換が発令された六月一日においても清掃作業には一名剰員があったのであるから、本件配置換は、重複任用であって無効である(受け入れ先の清掃課において異動が計画されていたとしても、これは清掃課において今後も就労を続けたいと希望していた職員を強引に配置換しようとしたものであって、これをもって清掃課に欠員が生じたものと見ることはできない。)。

(五) 人事権の濫用

本件配置換は、被告が以下に述べるように人事権を濫用して行ったものであるから、無効である。

(1) 小金井第一中学校においては、昭和五八年六月一日以降も施設警備を担当する職員を必要としていたのであり、原告も同校に留任することを希望していた。他方、受け入れ側の清掃課においても、本件配置換が検討された時点において、補充の必要はなかったのであるから、施設警備職の余剰となった人員については、当時補充を必要としていた小中学校(職務名一般用務。以下「学校用務」という。)に配置換すればよかったのであり、仮に清掃課に配置換することが必要であったとしても、特に希望を明示しなかった者が他にいたのであるから、施設警備に残留することを希望していた原告を選定する必要性は全くなかった。

(2) また、本件配置換における人選にあたり当該職員の所属長が作成した対象者名簿には、当該職員の出勤状況として「過去一年間の病休等」について記載することとされていたところ、原告についてのみは昭和五三年一〇月二六日、昭和五六年三月一一日の無断欠勤の存在を考慮して本件配置換を決定したのであって、原告を不当に差別したのである。

以上に述べたとおり、本件配置換は無効であって、原告は依然として被告の小金井第一中学校施設管理員としての地位にあるにもかかわらず、被告は原告の右地位を争いこれを認めない。

よって、原告は被告に対し、右地位の存在確認を求める。

(不法行為関係)

原告は、施設警備員に任用されて以降この職務に励むとともに、施設警備員の業務の確立のため取り組んできた。しかし、被告は、前述したとおりの違法な本件配置換により一方的に原告から警備員の職を奪い、このため、原告は、慣れない清掃作業に従事しなければならなくなった。

また、原告は、本件配置換により従来の勤務時間を大幅に変更され、生活体系全般の大幅な変更を余儀なくされたばかりでなく、職務内容の変更に伴い時間外手当及び夜間勤務手当の支給を受けることができなくなり、毎年少なくとも一〇〇万円の減収を余儀なくされた。

以上のとおり、原告は、被告の公権力の行使に当たる小金井市長のした違法で差別的な人事により経済的のみならず精神的にも多大な損害を被ったのであるが、その損害額は辞令発令の翌日である昭和五八年六月二日から原告が小金井第一中学校施設管理員として勤務することができる日まで一日当たり一万円を下らない。

さらに、原告は、本訴を提起するに当たり、弁護士二名を訴訟代理人に選任し、弁護士報酬として一〇〇万円を支払う旨約した。本訴は、事案の性質上、弁護士の専門的知識と技術が要求されるから、原告が自己の権利の実現を図るには弁護士に依頼せざるを得ないのであって、右弁護士報酬は本件の違法な配置換と相当因果関係のある損害である。

よって、原告は被告に対し、国家賠償法一条一項に基づき一〇〇万円及びこれに対する訴訟代理人選任の日の後である昭和五八年九月三日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金並びに昭和五八年六月二日から原告が小金井市立小金井第一中学校施設管理員の地位に復帰するまで一日当たり一万円の割合による損害金の支払を求める。

2  被告の認否及び反論

(地位確認請求関係について)

(一) 原告の同意の不存在について

本件配置換による職務内容の変更が労働契約の要素の変更に該当し原告の同意が必要であるとの主張は争う。そもそも配置換には、同意は不要であるうえ、第二次警備制度の改革に際しては、原告の所属する組合と被告との間で協議を重ねた結果、異動対象職場を現業内に限るとの合意が成立しており、本件配置換は、この合意に基づいて行われたのであるから、原告においてもこれに同意したものとみるべきである。

仮に、原告の同意がなかったとしても、右のような事実関係の下においては、右の選考基準に従う限り本件配置換は任命権者として被告の有する裁量の範囲に属する。

(二) 労使慣行違反について

被告において「任用換」について同意を必要とするとの労使慣行が確立していたとの主張は争う。

「任用換実施要綱」は、案として検討されたことはあったが、制定されなかったのであり、被告が組合に提示した協定書案についても、結局合意に至っていない。

(三) 差別的取り扱い、不当労働行為等について

本件配置換が原告の労働組合活動を理由として原告を不当に差別して不利益に取り扱ったとの主張は争う。

組合の内部でいかなる議論がなされ、いかなる対立が生じていたかについて被告は関知するところではない。また、本件配置換は、警備制度改革にともなう警備員数の見直しの一環として実施されたため、通常の人事異動とは異なり、主管課である管理部において異動案を作成したのである。管理部管財課主査は管理部長の命を受けて公務員として職務に従事したにすぎず、異動案の作成者は管理部長であるから、原告が主張するような恣意の入る余地はない。

(四) 地方公務員法一七条一項違反について

本件配置換が重複任用であって無効であるとの主張は争う。

仮に、本件配置換に右規定の趣旨が生かされるべきだとしても、右規定は、単に職員の職に欠員を生じた場合の任命方法を定めているだけであって、いかなる場合に右に言う「欠員」が生じたかは任命権者が判断すべきことである。

従って、本件配置換において内示の段階で欠員がなかったとしても、本件配置換は有効である。

(五) 人事権の濫用について

小金井第一中学校において昭和五八年六月以降も施設警備員を必要としていたことは認めるが、本件配置換が人事権を濫用してされたとの主張は争う。

原告を清掃課に配置換しなければならなかった必要性及び配置換の対象として原告を選定しなければならなかった合理性は以下に述べるとおりである。

原告を含む警備員九名の異動の対象となる現業職場において補充の必要性があったのは、学校用務、土木課(職務名一般作業。以下「土木作業」という。)、清掃作業の三つであったため、被告は、本人の能力特性と業務内容及び本人の希望を総合勘案して、適材適所の原則に基づき、異動を行った。

学校用務については、各校二名勤務の態勢であるが、六校に各一名計六名の補充が、土木作業については、道路作業要員として一名の補充が、清掃作業については、高齢職員を他に配転する必要から五名の補充が、それぞれ必要であった。右の職種はいずれも単純労務であるが、学校用務は勤務が二名態勢であるため、事故や欠勤があった場合の代替勤務要員の確保に不安がないよう配慮されていなければならない。これに対して土木作業及び清掃作業は、仕事自体大勢で協力して行うものであるから、事故や欠勤等の支障や代替勤務要員確保にそれほど不安はない。これらの各職種の肉体労働性は、学校用務は比較的軽度であり、土木作業及び清掃作業はともにこれより重く、両者の間ではほぼ同程度である。

これに対して、施設警備は、一つの学校に三名配属され、この三名が三日に一回の交替勤務をするという態勢になっていた。つまり、一学校に三名の警備員がいるが、職員が出勤して仕事に従事するのは一名であり、しかもそれが三日に一回の勤務ということとなる。このように単独勤務態勢であるため、職員の事故や欠勤の場合の代替勤務要員確保に難しさがあり、一人一人の警備員には勤務についてそれ相応の責任感が必要である。しかしながら、原告は、昭和五三年一〇月二六日、自己の勤務日であるにもかかわらず無断で欠勤し、同年一一月二日、所属学校長から厳重注意の処分を受けており、昭和五五年三月一一日にも勤務日であるにもかかわらず無断で欠勤し、事後の態度も悪かったことから教育長から厳重注意処分を受けたことがあり、右のような責任感について疑問が生じていた。このような事情から、原告については、単独勤務態勢の職務には不向きであると判断せざるを得ず、本件異動においては他の技能職に配置換する必要があった。そして、他の技能職のうちいずれの職種に配置換するかについては、右に述べたような理由で代替勤務要員の確保に配慮が必要な学校用務は不適当であり、残るのは土木作業と清掃作業とであるが、原告の年令、肉体的な条件等を勘案して清掃作業に配置換することとしたのである。

また、清掃課においては職員が高齢化していたため、新陳代謝を図る必要があり、高齢の職員五名を肉体労働の中では比較的軽度な一般用務に配置換し、その結果生じた欠員を他の技能職から五名補充する必要があった。

(不法行為関係について)

本件配置換が違法であるとの主張は争う。

本件配置換には、右に述べたとおり何らの違法も存しない。

第三争点に対する判断

一  本件配置換の効力について

1  原告の同意の必要性について

本件配置換が地方公務員法上の「転任」に当たらないことは当事者間に争いがないところ、右「転任」の場合についても当該職員の同意を要するとの規定はなく、任命権者の自由な裁量が認められ、必要性合理性の観点からその裁量を逸脱又は濫用して行われた場合でない限り、適法であると解されることに照すと、本件配置換について原告の同意を要するとは解されない。

したがって、原告の同意を要するとする原告の主張は理由がない。

2  労使慣行違反について

(証拠略)の結果並びに弁論の全趣旨を総合すると、以下の事実を認めることができる。

被告と組合との間において、昭和四七年三月三一日締結された協定書によれば、被告は、職員から所定の様式の人事異動希望書を提出させ、これを参考にして職員の人事異動を実施することとされており、同年三月一七日付けの被告企画部人事課作成の昭和四七年度人事異動取扱基準によれば、「人事異動にあたっては、職員の意向を尊重する努力をすることとし、職員が希望しない部門への配置については、その理由を説明する。」ということが基本方針のひとつとされ、人事異動の実施基準として、適材適所の原則、職員育成の原則、長期休業者保護の原則とともに、意向尊重の原則が掲げられ、職員の意向は原則として尊重するとされたが、〈1〉滞留年数の特に長い者が滞留を希望した場合、〈2〉職種の変更を伴う場合、〈3〉同一課から、または同一課に異動希望者が多数ある場合、〈4〉意向を尊重することによって業務の運営に重大な支障がある場合は、この原則から除くとされていた。

組合は被告に対し、昭和四九年、職務名の変更を伴う異動が原則として許されず、いったん現業公務員として採用された以上、当局によって特別に職務名の変更が認められない限り退職するまで現業公務員のままであることが現業公務員に対する制度的差別であるとして、「任用換」を制度として確立し、現業・非現業間の人事交流を合理的基準のもとに実施することを求め、被告と交渉をした。この結果、同年一一月に被告から組合に対し、原告が労使慣行の存在根拠として主張している「任用換実施要綱(案)」が提示されたが、右案は、一定の職務名に従事している職員が、保母や栄養士等の資格を取得した場合、当該資格に相当する職務名に異動することを認めるという内容のものであって、「任用換」についての一般的基準の定立を求める組合の要求とは異なるものであったため、「任用換」の制度的確立につき合意には至らなかった。

その後も、組合は被告との間において「任用換」制度の確立を求めて交渉を継続し、この結果、被告市長は組合に対し、昭和五二年四月二八日、「この問題については長い経過をたどってきた。現業協議会から要望が出され、当局のなかで検討を重ねた結果、職場に民主主義を確立する観点にたち、市民本位の市政の推進、行政の民主的運営、職員の意欲の増進を含め、現業と非現業との間にある制度的矛盾を解消したい。これまでは、職種間の異動は行いえないという制度になっていたが、これからはできるようにしたい。実施期日は五月一日付けとしたいが、基本的には皆さんとの合意を得ながら、覚え書か協定書で整理していきたい。」旨回答し、「任用換」を制度として確立することを表明するとともに、同年五月、第一次警備制度の改革に伴い必要となる「任用換」を実施し(この「任用換」において本人の意思に反する例はなかった。)、さらに、同年八月六日、原告が労使慣行の存在根拠として主張している、〈1〉職員の意思に反しない、〈2〉補充を必要とする職があること、〈3〉より適格者が得られ、適材適所の原則が貫かれることの三点に該当する場合に職務名を変更することができる旨の「任用換」に関する協定書案を提示したが、合意するまでには至らなかった。しかし、同年九月九日、被告と組合との間において、〈1〉市民本位の市政の推進、行政の民主的効率化及び職員の職務に対する意欲の増進を図るために、現業職員と非現業職員との間にある制度的な矛盾を解消していくこととする。なお、前歴換算の問題については、今後の課題とする。〈2〉これまで、現に任用されている職種を他の異なる職種に変更することは原則として行われていないが、この現行の制度を是正し、他の異なる職種に変更できることとする、という内容の覚書(〈証拠略〉)が締結された。

以上認定したところによると、原告が労使慣行の存在根拠として主張している「任用換実施要綱」及び「任用換」に関する協定書案は、いずれも被告から組合に案として提示されたことはあったものの、合意するまでには至らなかったというのであるから、右を原告の主張する労使慣行の存在根拠とすることは失当である。

もっとも、右昭和五二年九月九日に締結された覚書において被告と組合との間において「任用換」を制度的に確立する旨の合意が成立したのであるが、右覚書は、被告から提示された右協定書案を前提とするものであったと認めることができる。

しかしながら、前記のとおり、人事異動の一般的基準として定められていた前記昭和四七年度人事異動取扱基準においては、職員の意向を原則として尊重するものとされてはいるものの、一定の場合には職員の意向に反する異動もありうることが明示されていたこと、「任用換」に関する職員の意向につき前記人事異動取扱基準と殊更に異なる取扱をすることが被告と組合との間で明示的に合意された事実も認められないこと及び「任用換」の場合に、職員の意向を、他の人事異動よりも特に尊重すべき理由はなく、かえって、前記のとおり、「任用換」については被告の広範な裁量権が認められるべきものであることに照らすと、前記協定書案にいう「任用換が当該職員の意思に反しない」ということは、前記人事異動取扱基準の内容を確認したものにすぎず、結局、被告と組合との間においては、「任用換」につき、職員の意向を原則として尊重するということにとどまるものであって、これ以上に、「任用換」に際して当該職員の個別的同意を必要とするとの労使慣行が存在していたと認めることはできない。

したがって、本件配置換が原告の同意を得ていないから労使慣行に反する旨の原告の主張は理由がない。

3  差別的取り扱い、不当労働行為等について

原告の被告に任用された以降の原告の組合活動歴は前述したとおりであるが、(証拠・人証略)の結果並びに弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。

第一次及び第二次警備制度の改革の内容については前述したとおりであり、組合は被告に対し、警備問題等検討協議会において欠員の補充を要求していたが、昭和五二年一〇月二〇日付けで、組合委員長が、「一三人の欠員を抱え込んだ七二名態勢という枠からの検討は、政治的な力関係の問題を残すため検討に無理が生じるので、事実の問題として五九名を出発点として制度を検討せざるを得ない。」との見解を発表し、従前の欠員補充を前提とするとの方針を転換することについて組合内での討議を提起した。そして、これと時期を同じくして、被告は、昭和五七年一〇月二八日に開催された第六回の右協議会において、「学校以外の施設の夜間無人化・定数削減」を主な内容とする案を提出し、同案自体は組合の抗議により撤回されたものの、警備問題について、欠員の補充を前提としない現実的妥結を求める方向が、毎熊委員長を中心とするいわゆる組合主流派と被告との共通の認識として形成されたことが明らかな状況となった。

そして、組合の内部機関である警備部会においても、同年一一月、同学校警備員連絡会事務局から委員長の右見解を基本とする内容の事務局案が提出された。しかし、原告は、右事務局案が、被告の合理化方針に沿うものであるとともに組合執行部多数派の意向に迎合するものであるとして、これに強く反対し、事務局案の対案として、施設警備員の補充を前提とする案を提出した。同年一二月当時事務局案に反対する者は組合警備部会の過半数を占め、原告の右案は、同年一二月四日開催の組合執行委員会にいったん組合警備部会の結論として提出された。しかし、執行委員会は、組合警備部会内における討論が尽くされていないとして、各分科会を含む警備問題等検討協議会を一時中断し、警備態勢のあり方についての組合警備部会の再検討の結果を待つことを決定した。組合警備部会における討議は同月中継続され、昭和五八年一月一〇日開催の執行委員会においてその検討結果が報告されるに至ったので、これを踏まえ、執行委員会は、同月二一日、「警備制度の考え方について」と題する書面を作成し、警備問題についての組合見解をとりまとめた。右見解は、学校以外の施設について、市民の施設利用が終了した時間帯の管理を個別有人常駐配置方式から巡回警備と機械設備の利用による集中管理方式に変更し、市庁舎内に施設管理センターを設置して集中管理方式の拠点とすることをその基調とするものであり、そこで、前述したとおりの第二次警備制度の改革が実施された。

右改革により、前述したとおり九名を他の職種に配置換する必要が生ずることとなった。そこで、組合は被告に対し、配置換の職場を現業の範囲内とするよう申し入れ、被告もこれを了承して、具体的な異動の作業に入った。右異動にあたり、被告は、施設警備員全員を対象として人選を行うという基本方針のもとに、同年四月二七日、施設警備事務連絡会を開催し、第二次警備制度の改革の概要について、警備制度の変更と異動の必要性、施設警備職から他の職務名に異動する場合の人数枠、施設警備職から他の職務名に異動する場合の他の職務は現業職とすること及び異動についての希望調査をするため自己申告書を提出してもらうことの四点につき説明した(右説明会には、原告も出席していた。)。

被告は、施設警備員に対して、右のとおり説明をするとともに、現業職場全体についての異動方針を検討し、その結果、〈1〉本件配置換当時、施設警備員九名の異動の対象となる現業職場において補充の必要性があったのは、学校用務、土木作業、清掃作業の三つであったこと、〈2〉学校用務については、各校二名勤務の態勢であるところ、六校に各一名合計六名の補充が、土木作業については、道路作業要員として一名の補充がそれぞれ必要であり、また、清掃作業については、職員が高齢化していることから、高齢職員五名を肉体労働のうちで比較的軽微な労働である学校用務に配置換させることとしたため、その後任として五名の補充が必要であったこと等の事情に鑑み、当時の施設警備員のうち、施設管理員として残留するグループとして、施設管理センターに一三名、小中学校に三五名を配置換したうえ、他の技能職に配置換するグループとして、学校用務に三名、土木作業に一名、清掃作業に五名をそれぞれ配置換することとした。そして、同年五月一六日ころ、助役は管理部長に対し、右方針に則して施設警備員に関する異動案を作成するよう指示した(通常の人事異動の場合、異動案は人事課において作成するが、本件異動は第二次警備制度の改革の一環としての異動という、特殊な状況における異動であったことから、施設警備を所管する管理部において異動案を作成させることとした。)。右指示を受けて、管理部長は、管財課警備担当主事(現在の施設管理係主事)に対し具体的な人選をするよう指示し、また、清掃課長ないし担当部長に対しても、学校用務に配置換するため、清掃課から五五、六才以上の高齢者を五名人選するよう指示した。

同年五月四日、被告は原告に対し、右人事異動に関する希望の有無を照会する自己申告書の提出を求めた。原告は、施設管理員にとどまることを希望し、同月一二日ころ、同書の「自由意見欄」に「第一中学校施設管理員を希望する」旨を記入してこれを小金井第一中学校長に提出した。そして、異動対象職員の所属長は、右自己申告書を人事課に提出するに際し対象者名簿を作成し、右名簿に所属長の意見・要望等を記入することができることになっていたことから、右校長は原告に対し、「原告の希望どおり記入する」旨言明し、現実に、右校長及び教頭は、被告教育委員会に対し、原告が同校に留任できるよう要請した。

しかし、前記管理部長及び管財課警備担当主事は、〈1〉施設警備員は、一つの学校に三名配属されているものの、この三名が三日に一回の交替勤務をするものとされ、職員が出勤して仕事に従事する日は単独で勤務にあたることとなる単独勤務態勢であるため、職員の事故や欠勤の場合の代替勤務要員確保に難しさがあり、一人一人の職員に勤務についてそれ相応の責任感が必要であること、〈2〉学校用務、土木作業、清掃作業はいずれも単純労務であるが、学校用務は勤務が二名態勢であるため、事故や欠勤があった場合の代替勤務要員の確保に不安がないよう配慮されていなければならないのに対して、土木作業及び清掃作業は、仕事自体大勢が協力してするものであるから、事故や欠勤等の支障や代替勤務要員確保にそれほど不安はないこと及び〈3〉原告は、昭和五三年一〇月二六日、自己の勤務日であるにもかかわらず無断で欠勤し、同年一一月二日、所属学校長から厳重注意の処分を受けており、昭和五五年三月一一日にも勤務日であるにもかかわらず無断で欠勤し、同年六月一一日、教育長から厳重注意を受けた事実があることに照らし、原告は単独勤務態勢である施設警備には不適当であり、また、他の技能職に配置換するとしても、右に述べたような理由で代替勤務要員の確保に配慮が必要な学校用務は不適当であって、残る土木作業と清掃作業のうち、原告の年令や肉体的な条件等を勘案して清掃作業が相当であると判断し、原告を清掃課に配置換することを含めた異動案を作成した。そして、昭和五八年五月一八日、助役、企画部長、管理部長、教育次長が協議した場において、管理部長が右異動案を示して合意を得、手続的にもこれが最終的に被告の異動案として確定した。

この結果、被告が自己申告書を集約した段階において、施設管理センターを希望した者が一二名、小中学校を希望した者が三七名、他の技能職に配置換を希望していた者が八名いたところ、他の技能職に配置換を希望していた者のうち、一名が土木作業に、三名が学校用務に、三名が清掃課にそれぞれ配置換されたが、残り一名は小中学校に配置換された。また、清掃課に配置換された三名のうち二名は、学校用務を希望していたにもかかわらず清掃課に配置換された。そして、施設管理センターを希望した者のうち、一名は小中学校に配置換され、小中学校を希望した者のうち、二名は施設管理センターに、原告他一名は、清掃課に配置換された。

他方、清掃課では、同月一八日までに五名を選定するには至らなかったが、一九日に改めて人事課長から早急に人選をするよう要請されたため、同日職員に対して説明を行い、その後、土、日曜日を費やしてようやく人選を行った。

同年五月二三日、被告は原告に対し、本件配置換を内示した。これに対し原告は、人事課長に内示の撤回を数回に亘って求めたが、同年六月一日、被告は原告に対し、本件配置換の辞令を発した。

他方、清掃課については、被告は、同年六月一日、清掃課から学校用務に、清掃課に留任を希望していた二名を含む四名の配置換を発令し、残る一名の内示者については、当時病気休暇中であったことから発令を留保した。そのため、清掃課においては一時的に剰員が生じたが、同年九月一四日に右留保者に対しても学校用務に配置換が発令され、右剰員は解消した。

以上認定したところによると、原告は、組合の一員ではあったものの、第二次警備制度改革に関してはいわゆる主流派に反対の立場に立ち、試案を提示するなどして積極的な活動を展開しており、また、原告の希望が容れられないで本件配置換が行われたというのである。しかし、他方、本件配置換は、被告と組合との間で合意された第二次警備制度改革に伴う警備員数の見直しの一環として、剰員となった施設警備員九名を他の職種に配置換する必要が生じたことから行われたものであり、この際、無断欠勤など従前の原告の勤務状況から原告は単独勤務態勢である施設警備員には不適当であり、また、他の技能職に配置換するにしても、右の理由から代替勤務要員の確保に配慮が必要な学校用務に配置換するのは不適当であって、残る土木作業と清掃作業のうち、原告の年齢、肉体的な条件等を勘案して清掃作業に配置換するのが相当であると判断したというのである。

そうすると、本件配置換には合理的理由があるということができ、本件配置換を含む人事異動案を作成した管財課警備担当主事が、当時組合主流派に属し、同人の上司である同課警備担当主査は組合執行委員長の地位にあった(〈人証略〉)ことをもって、右異動案自体が直ちに原告の主張するように差別的意思ないし原告の組合活動を嫌悪したことによる不当なものであったということはできず、本件配置換の合理性を疑わせることにはならないというべきである。

そして、他に本件配置換が原告らの主張するような差別的意思あるいは不当労働行為意思によることを認めるに足りる証拠はないから、この点に関する原告の主張も理由がない。

4  地方公務員法一七条一項違反について

(証拠略)によれば、被告は、本件配置換当時、小金井市職員定数条例において、市長の補助職員の定数を八四五人と定め、職員の部門別の配分は、任命権者が定めるとしていたことが認められるから、地方公務員法一七条一項の関係で本件配置換について当時の清掃課の欠員を問題とすることは意味がなく、原告の主張は理由がない。

5  人事権の濫用について

被告の有する人事権の裁量については、前述したとおりであり、そして本件配置換には合理的な理由があること及び本件配置換が原告の希望に沿わなかったからといって不当であるとは言えないことも前述したとおりであるから、原告が人事権の濫用として主張する点はすべて理由がない。

二  不法行為の成否について

本件配置換が有効であり、これに何ら違法なところのないことは前述したところから明らかである。

したがって、この点に関する原告の主張はその余の点について判断するまでもなく理由がない。

第四結論

以上のとおりであるから、本訴請求はいずれも理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 林豊 裁判官 合田智子 裁判官 蓮井俊治)

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